国内3軒目となる「アマン京都」が、日本を代表する古都に満を持してオープン。
「アマン京都」が位置するのは、観光客で溢れる喧騒から住宅地を通り抜けた、京都洛北。中心地から車で約30分、金閣寺のある鷹峰地区だ。木々が茂緩やかな山道を車で登っていくと、大きな丹波石の門が迎えてくれる。20年の構想を経て生まれたアマン京都。アマン京都の庭園自体が造られたのは約70年前。当時の所有者だった西陣織の名家が、織物美術館を作ることを夢見て造園を開始し、その後持ち主の手を離れ手つかずのままゲートが閉められていたところをアマン京都が森と庭を蘇らせた。
アマン京都のコンセプトは自然との調和
前所有者のときと同じ造園家が、今も変わらず手入れを続けている。敷地には古代遺跡の庭のように石が多用されているが、それらは遺跡愛好家だった前所有者が集めていた、今では到底手に入らない銘石だ。石に加えて、頭上でざわめく木々と新たに植え替えた苔も、タイムスリップしたような独特な別世界を作り上げ、ゲストを極上のリゾートへと誘う。
上質な時間を提供するコンフォートな客室
ミニマルな建築の客室は、自然の庭の景観を損なわないように配慮された。2階建ての4つの宿泊棟、そして2ベッドルームのヴィラタイプの2つの棟からなる全26室という、プライベートな別荘のような規模感だ。すべてが森の中に自然に溶け込むように建てられ、壁一面には大きな窓が配されている。苔の生えた石垣や林の景観と一体化し、部屋の中にいながらまるで庭に立っているかのような感覚に陥る。ヴィラタイプの2室は高台に位置し、楓や杉の木々と苔庭を見下ろすことができる。
日本の伝統を受け継ぎ、旅館のような格子デザインをモダンでミニマルに仕上げた建築を手がけたのは、国内のアマン2軒と同じ、ケリー・ヒル・アーキテクツが担当。すべての家具と照明はオリジナルの特注品で、客室内には作家が手がけた器などの工芸品が飾られている。ソファーのクッションは西陣織。森林浴をしているかのような香りに包まれる檜風呂と、軸と花が飾られた床の間も全室完備で、日本の美学と創造性を体感するには十分なしつらえだ。
ビジターも利用できるオールデイダイニング
オールデイダイニング「ザ・リビング パビリオン by アマン」は、暖炉を中央に添え、苔の庭「ケリーヒル ガーデン」を眺めるオープンテラス。“Land to Table”をコンセプトに、京都ならではの食材を活かした個性的なイノベーティブな料理を提供する。ヨーロッパからシンガポールと約16年も海外に滞在していた総料理長の鳥居健太郎氏は、その経歴をフルに活かし、京都アマンにふさわしい独創的な他では味わえないボーダレスな料理を作利上げゲストを魅了してやまない。
宿泊ゲストの楽しみの一つである朝食も、和食か洋食をチョイスが可能で地元生産者や土地自体に対するオマージュが感じられる朝食が楽しめる。お料理はもちろんの事、その料理をさらに楽しませてくれるサービススタッフの心安らぐ笑顔そして気配りが一流リゾートを強く感じる。
多くの“アマン・ジャンキー”と呼ばれる熱狂的なファンを生み出すのは、プライベートな環境で、日常からの解放をもたらしてくれるからに他ならない。「アマン京都」は、海外ゲストに限らず、京都に親しんだ日本人にとっても、想像以上の“京都らしい非日常”を過ごすことができるだろう。林と苔石に囲まれた秘境とも呼べる山の麓で、そのアマンの描くリゾートライフを存分に堪能したい。
- 店名:アマン京都
- 住所:京都府京都市北区大北山鷲峯町1
- 電話番号:075-496-1333