これまで見知った食材がまるで別物に感じられる素材のポテンシャルを極限まで引き出す究極の料理。
この店で得られる悦び。
それは、よく見知ったはずの食材がまるで別物に感じられるほどの、濃縮された味や風味が楽しめることだ。
たとえば飴細工のように掻き揚げられた人参の驚くべき甘み。
白身魚の天ぷらのほっくりとした食感や、上品な香り。そして旬の食材が持つ自然の風味が、極限まで引き出される。
『天ぷら近藤』では野菜の天種が豊富。
元来、江戸前の天ぷらといえば魚介が中心だったが、積極的に野菜を使ってその常識を塗り替えた。
分厚かった衣をぎりぎりまで薄くし、食材の色や香りを引き立てたのも氏が先駆け。その型破りな発想がいつしか基準となり、世界中の美食家から注目される存在となった。
「天ぷらの本質は蒸し料理ですよ」。
調理の際の厳しい眼差しから一転、話をするときの表情はいつも朗らか。
これが日本一の天ぷら職人と呼ばれる近藤文夫氏の姿だ。
氏の言葉を解釈すると、天ぷらとは熱と水分で食材の旨味をうまく引き出す蒸し物。
衣の中にその旨味を封じ込め、丸ごと味わう贅沢過ぎる料理だ。
- 店名:てんぷら近藤
- 住所:中央区銀座 5-5-13 坂口ビル9F
- 電話番号:03-5568-0923
- 営業時間:ランチ:12:00~15:00 (L.O.13:30)、ディナー:17:00〜22:00 (L.O.20:30)
- 定休日:日曜 ※月曜が祝日の場合休